【リクルート用語】リクルートで使われている社内用語解説|リクルート出身者がわかる用語クイズ

私は過去にリクルートキャリア(現:リクルート)へ転職し、新卒事業本部という部署で働いていました。

今回は、当時私がリクルートに在籍していたときに使われていた“リクルート用語”について、入社してから戸惑ったり、意味がわからなかったリクルート用語を中心にご紹介します。

リクルート用語とは

リクルート用語とは、リクルートの社内で使われる社内用語のことです。

独特なワードが多く、社外の人に使うと伝わらないことも多々あります。

英語と日本語を混ぜた言葉であったり、英単語を短縮して伝えたりするものが多くあるため、最初から日本語で言った方が早くね?となることが多いです。

それでは見てきましょう。

主なリクルート用語一覧

主なリクルート用語を書いていきます。

1:湯上り感

「サービスやプロジェクトを終えたあとに、どういう状態になっていてほしいか?」みたいなこと。

「本を読んだ人に、読後にどうなってほしいか?」みたいなニュアンスが近いかも。

打ち合わせの中で「理想の湯上り感としてはー」という感じで、突然発せらます。

「風呂の話なんかしてったっけ…?」となりますが、中途入社の人から「すいません、湯上り感ってなんですか…?」と質問が出るくらいなので、当然社外でも通用しません。

2:よもやま 

「特に議題を決めずに話す打ち合わせ」のこと。

僕がリクルートに入社した直後、スケジュールに「よもやま」という予定が入っていました。

その時は「“ヨモヤマさん”という人との打ち合わせかな…?そんな人いたっけ…?」と思っていましたが、完全に違いました。

ヨモヤマさんではなく、ただの上司との1on1。「入社してどうよ?」とか「今後、どうする?」みたいな面談でした。

本名がヨモヤマさんの人は、色々ややこしそう。

3:ATI

圧倒的当事者意識のこと。

リクルートでは「お前はどうしたいの?」とよく問われます。

リクルートでは“圧倒的”な当事者意識を持っていないと上司に詰められ過ぎて意識不明の重体になります。社内では常にATIを持つことを圧倒的に意識してください。

4:ブレスト

ブレインストーミングの略。

みんなで適当に発想してアイデア出そうぜ!というもの。

ブレストというのは参加メンバー各自が自由にアイデアを出し合い、お互いの発想を利用して、新しいアイデアを生み出す思考法のこと。

しかしながら、「ブレスト」でググると平泳ぎ(breaststroke:ブレスト)が出てきます。

会議中にググった僕は「え、平泳ぎ…??」となりました。

5:レボ

上司との振り返りや、今後の行動を共有したりする時間のこと。

上司や同期と振り返りや共有することで、自らに変革(レボリューション)を起こすという意味から「レボ」と名付けられたらしいです。

慣れると周囲に対して「レボしよ?」って言えるようになります。

※社外では一切通用しません。

6:やるやら

やるか、やらないかの略。

「週明けにやるやらを決めよう」=「週明けにやるかやらないか決めようぜ」という意味。

少しでもコミュニケーションの時間を短くするために略されているのかもしれませんが、会話の中で突然、「やるやら」と言われても「やるやら…?」となってしまい、そもそもコミュニケーションが成り立たなります。

くれぐれも略さないことをおすすめします。

7:アスピ

アスピレーション(向上心)の略。

リクルートには「アスピ目標」というのがあります。「(できるできないは別として)これだけの数字をつくります!」という、気合目標みたいなものです。

気合目標とはいえ、無謀な目標数字を言うと「それどうやるの?本当にできるの?」と詰められるのもリクルートらしいところ。

※余談ですが、リクルートにはヤクザ文化な面もあるので、詰められ方はヤバめです。

8:フィジビリ

フィジビリスタディ(実験)の略。

「フィジビリティ(とりあえず実験的に)でやってみたら?」みたいな感じで使われます。

ベンチャー界隈では割と一般的になってきましたが、世の中的にはほぼ通じません。

9:SNHR

「先輩内定者ひっぱりルート」の略。

内定者から優秀な後輩を紹介してもらって採用するルートのこと。

主にメールなどで「SNHR」と記載されます。採用時期にはよく聞くワードですが、最近はあまり耳にしないかも。

10:オブリ

Obligation=必達事項のこと。

上司に「オブリで」と言われたとき「え、奢り…? どういうことだ?」と混乱した覚えがあります。

何が起きようと必ず達成しろ!という強烈なワードです。

リクルートはインテリな一面もありますが、本質は気合と根性の文化が強めのカルチャーです。

11:ZD

「ゼロ・ディフェクト」の略。

一部では「全然ダメ」「ゼロ電話」の略としても使われています。

営業部などで、効果がなかったことを指すときに「ZD」と言います。

全然ダメという日本語を略しただけという、なんともリクルートらしいワードです。

12:ジャストアイデア

「思いつき」のこと。

議論が困窮した重苦しい空気の会議で、閃いたことを発する際に使われる言葉です。

「これ私のジャストアイデアなんですけど」とカッコ良く会話を切り出してきますが、「あ、今思いついたですけど」と言ってることは同じです。

上司に「これ思いつきなんですけど!」というと「考えてから話せ」と言われますが、「すいません、これジャストアイデアなんですけど」と伝えると聞いてくれるからコミュニケーションって難しい…。

13:テレクリ

テレフォンクリーニングの略。

「今日何件テレクリした?」みたいな感じで使われます。

新規開拓で企業へアポイントを取っていると「テレクリしてるね!いいね!」と褒められます。ちなみに社外では一切通用しません。

14:バジェット

予算(バジェット)のこと。

「このクライアント、どんだけバジェットあんの?」=「予算あるなら早く売上取ってこい」という意味です。

バジェットはそのままの意味で「予算」。

カッコイイ!と思って客先で「バジェットについてなんですが」って言ったら「予算はですね…」と普通に日本語で切り返されるので、最初から日本語で言ったほうがいいです。

15:エビデンス

証拠や根拠のこと。

「お前それエビデンスあんの?」「エビデンス出してもらえる?」と突然言われることがありますが、要は「根拠あんのか?」という意味です。

最初から日本語で言ったほうが早いと思いますが、よく使われるのでしっかり覚えておきましょう。

16:フィックス

確定する、決定するという意味。

「先週のあれってもうフィックスした?」みたいな感じで使われます。

上司に「フィックスした?」と聞かれたときに「まだフィックスしていなくて…」と言うとキレられるので、「確かフィックスしていたので、確認して連絡します!」と言って時間稼ぎするのがおすすめです。

17:ナレッジ

知識(ナレッジ)のこと。

リクルートでは「ナレッジを共有しよう!」みたいな文化があります。

ナレッジは「知識」という意味ですが、リクルートにおけるナレッジは「自分の成果やスキルの共有」を意味します。

受注につながった提案資料を共有したり、効果的なトークスクリプトを共有フォルダに入れたりするのですが、ほぼみんな見ていなかったというのがオチ。

18:ボール

誰が動くのか? を確認する言葉です。

上司に「これって今誰のボールなの?」と突然言われ、戸惑った記憶があります。

これは直訳すると「今、誰がこれをやっているの?」という意味になります。

営業においてはお客さんの返答待ちなのか、こちらの提案待ちなのか?という「アクションをどちらが握っているのか?」を確認する意味で使われます。

19:壁打ち

事前に相談すること。

計画にロジックの破綻がないか、論理に飛躍はないかなどを確認したり、提案の中身に問題がないかを確認する打ち合わせのこと。

同僚や部下に「壁打ち相手になろうか?」と言えるようになるとカッコイイ(?)です。

20:TTP

徹底的にパクるの略。

他の人のアイデアを「徹底的にパクる(TTP)」ということで使われています。

よし、TTPをやってみよう!と思い、他社をそのまま真似たアイデアを会議で出したら「ただのパクりだろ」と怒られ「?」となりました。

TTPというのは表面だけをパクるのではなく、仕組みやシステム、やり方における本質的な部分を捉えてパクることを指しているので気を付けましょう。

リクルート用語まとめ

私が在籍しているときによく耳にしたリクルート用語をご紹介しました。

私が在籍していた時代に使われていた用語なので、もしかしたら今でも新しい用語が生み出されているかもしれません。

いずれのワードも発するのは自由ですが、前提として言葉は相手に伝わらないと意味がありません。

自分自身できちんと意味を理解した上で、丁寧に伝えることが大切です。

意味もわからず連発すると恥ずかしい感じになってしまうのでくれぐれもお気をつけください。

リクルートやベンチャーでの経験談を書いた著書『転職と副業のかけ算』もぜひ読んでみてください。

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執筆者・監修者のmotoについて

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起業家・著述家。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)、YouTubeチャンネル:『motoの転職チャンネル』。

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