
転職をした際、自分に合わない会社や業務内容だと「仕事を辞めたい」と感じることがあると思います。
実際、筆者である私も『転職して3カ月で会社を辞めた話』にあるように、3カ月で仕事を辞めた経験があります。
仕事を辞めたいと思ったとき「すぐに辞める」という決断をするのは難しいため、辞めるべきかどうすべきか悩んでいる人は多いと思います。
本記事では、仕事を辞めたい理由としてよくある7つの理由とその対処法を解説します。仕事を辞めたいと思った時、辞めたほうがいいのか、現職に残るべきなのかを考えたい人はぜひ参考にしてみてください。
「仕事を辞めたい」によくある理由
厚生労働省が発表している「仕事を辞めた者の退職理由」と、X(旧Twitter)で12万フォロワーを持つmotoのTwitterアカウントで募集した「仕事を辞めたい理由」をもとに、辞めたい理由と事例、対処法について解説していきます。
1.給与が低い・昇給が見込めない
転職理由で圧倒的に多いのが給与面です。
仕事の対価は報酬であるため、給与は仕事を辞める理由に大きく影響します。また、ポストに空きがないことで昇進できなかったり、会社の評価に不満がある人も多いです。
「この会社にいても昇進できなさそう」「長く働いても給与が上がらなそう」という意識を持ち始めると、今の仕事を辞めることも選択肢に上がってくるのは仕方のないことかもしれません。
2.人間関係が悪い・うまくいかない
人間関係も仕事を辞めたい理由に多いです。
社内の上司や先輩、同僚、社外の顧客やパートナーなど、仕事には人間関係がつきものです。上司や同僚は選ぶことができないため、自分と相性の悪い人と一緒に仕事をしなければならないことも多くあります。
こうした人間関係に疲れて、ストレスを溜めてしまい、仕事を辞めたいと考える人も多いです。
3.残業や休日出勤が多い
昨今ではライフワークバランスを重視する人も多くいます。
そのため、残業や休日出勤が多かったり、仕事におけるノルマが厳しい場合に仕事を辞めたいと感じる人は多いようです。
こうした労働条件の悪さは、自分だけでは解決できないため、仕事を辞めたいと感じる人の多くが転職などを視野に入れて行動することが多いです。
4.スキルアップができない
今の会社ではスキルアップができない、と考えて仕事を辞めたいと思う人もいるようです。
リモートワークが普及したことで教育や研修がなくなり、スキルアップをする場や、上司や先輩とのコミュニケーションが減ったことでこうした点に不満を持つ人が多いようです。
自分の市場価値を高めたいと考える人ほど、スキルアップできないことを理由に仕事を辞めたいと感じるようです。
5.今の仕事が向いていない
仕事を辞めたいと考える理由に「今の仕事が向いていない」というのがあります。
私も実際にそうでしたが、自分に向いていない仕事をすることはとても辛いです。業務時間は一日の時間の中で多くの割合を占めるため、興味が持てなかったり、自分には合っていないことをし続けるのは苦痛です。
このあたりの実体験については『転職して3カ月で会社を辞めた話』をご覧ください。
仕事を辞めたいと思ったときにやるべきこと
仕事を辞めたいと思ったときにやるべきことをご紹介します。
1.辞めたい理由を洗い出して整理する
まずは、今の仕事を辞めたい理由を整理することが大切です。
仕事を辞めたいと思い始めると、いろいろな不満が出てきます。上記に上げた仕事を辞めたい理由以外にも多くの理由が出てくると思いますが、中でも最もクリティカルな理由を探すようにしてください。
「会社のカルチャーが合わない」「給与に不満がある」「仕事内容が合わない」など、自分では変えられないことが辞めたい理由になっている場合には、転職を検討しましょう。
もし自分で変えられそうな不満である場合には、部署異動や職種変更など、会社に相談してみることをおすすめします。
2.ストレス診断をしてみる
厚生労働省が提供しているストレス診断ツール『ストレスセルフチェック』をやってみてください。5分ほどであなたのストレスレベルがわかります。4つのSTEPによる57個の質問に答えることで、現職のストレスを計測することができます。
こうした外部ツールを利用することでストレスを把握し、仕事を辞めるべきかを考えてみてください。
3.今の仕事を辞めた場合のメリットとデメリットを考える
仕事を辞めたいと思ったとき、まずは「このまま仕事を続けるメリットとデメリット」「仕事を辞めた場合のメリットとデメリット」を考えてみてください。
それぞれのメリットやデメリットを考えるのが難しい場合は、仕事を辞めて退職や転職をすることによって、解決したい問題は何か?を考えてください。
今の感情だけで仕事を辞めることは簡単ですが、仕事を辞めて後悔するケースも少なからずあります。仕事を辞めたいと思った場合には、それぞれのメリットとデメリットを想定しておくことが大切です。
一時の感情や衝動で仕事を辞めるのではなく、この先のキャリアまで考えて検討することで、転職における失敗を防げます。
4.社内異動も検討する
現在の仕事内容や人間関係が合わなくて辞めたいと思っている場合には、社内異動も検討してみてください。
同じ会社であっても、部署が変わるだけで人間関係や仕事内容は大きく変わるため、仕事を辞めなくても悩みを解決できる可能性があります。社内の部署異動については、上司や人事に相談してみることをおすすめします。
異動願いは必ず通るわけではありませんが、相談してみることで今の悩みが解消されるかもしれないので、検討してみてください。
5.転職エージェントに相談する
転職エージェントに相談するのもおすすめです。
今の仕事を辞めたいと考えたとき、第三者に意見を聞くことはとても大切です。また、ただ仕事を辞めるのではなく、次の行き先があるのかについても転職エージェントに相談することで把握することができます。
現在の仕事が自分に合っていないと思ったり、人間関係に疲れたと思う人は、転職エージェントに相談し、次の職場探しをするようにしてください。
仕事を辞めたいと思ったときの注意点
仕事を辞めたいと思ったときの注意点について解説します。
1.仕事を辞めることを目的にしない
仕事を辞めたい、と考え出すと「今の仕事を辞めること」を目的に行動してしまいがちです。
しかし、今の仕事を辞めて次の職場へ転職することで、それが解決されるかどうかは別問題です。どこでもいいから転職してしまおうと思わず「何が解消されればいいのか」「何を目的に仕事を辞めるのか」を考えて行動してください。
このあたりがはっきりしないと、次の転職先でも同じような理由でまた仕事を辞めることになってしまうので、きちんと考えるようにしてください。
2.転職理由をネガティブにしない
上記にもあげたように、仕事を辞めたい理由はネガティブなものになりがちです。
しかし、退職理由をネガティブなものにしてしまうと「不満ばかり言う人だ」と思われてしまい、次の転職も難しくなってしまいます。
例えネガティブな理由で仕事を辞めたとしても、伝える際にはポジティブな言い方に変えるようにしましょう。例えば「小さな仕事しか任せてもらえなかった」と伝えるのではなく「より大きな仕事をしたいと思うようになった」というように、次にやりたいことをポジティブに伝えるのがおすすめです。
仕事を辞めたいと思ったときに相談できるおすすめ転職エージェント
転職エージェントは、キャリア相談や求人紹介、面接対策などの転職サポートをしてくれるサービスです。仕事を辞めたいと考えた際に、無料で相談に乗ってくれるおすすめの転職エージェントをご紹介します。
1:リクルートエージェント
口コミ:リクルートエージェント 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:644,415(2025年10月15日現在)
求人数増減:+4,711(先週比↑up)
【公式サイト】https://www.r-agent.com/
仕事を辞めようか悩んでいる人におすすめのエージェントは『リクルートエージェント』。利用者の60%が年収アップしているという実績があります。
リクルートエージェントは転職支援実績No.1の転職エージェントです。公開求人と非公開求人合わせて50万件を超える求人を保有しています。
リクルートエージェントの特徴は全業種・職種の求人が掲載されている点です。キャリアアドバイザーに幅広い求人を紹介してもらえるため、志望業界や業種、志望企業が決まっていない人や、他業界への転職を考える人などにおすすめです。
出典:公式サイト
2:doda
口コミ:doda 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:255,607(2025年10月15日現在)
求人数増減:+1,404(先週比↑up)
【公式サイト】https://doda.jp/
次におすすめする転職エージェントは『doda』です。
dodaは転職サイトの中で最も知名度が高く、利用者の多い転職サイトです。求人は20万件以上(※2023年4月時点、非公開求人を含む)保有しており、転職サイトの中ではトップクラスの求人が掲載されています。
非公開求人の多くが他社転職サイトに掲載されていない独自の求人であるため、あなたに合った求人を見つけることができます。
サイト内には「転職人気企業ランキング」や「人気企業300社の合格診断」など、転職に役立つ情報が数多く掲載されているため、初めて転職する人にもおすすめです。
出典:公式サイト
3:マイナビエージェント
口コミ:マイナビエージェント 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
【公式サイト】https://mynavi-agent.jp/
3つ目におすすめする転職エージェントは『マイナビエージェント』。
マイナビエージェントは、株式会社マイナビが運営する転職エージェントです。2023年、2024年、2025年と3年連続でオリコン満足度ランキング1位を獲得しています。20代、30代の利用者が多く、若手からミドル向けの求人が多く掲載されています。
リクルートエージェントやdodaと比較すると求人数では劣りますが、首都圏以外の地方求人が他社転職サイトと比較して充実しています。地方の大手企業求人や若手向けの求人、未経験求人に強く、履歴書や職務経歴書の書き方、面接対策なども丁寧に行ってくれます。
初めての転職で書類の書き方や、面接が不安な人におすすめの転職エージェントです。また、転職サイト「マイナビ転職」も合わせて見ておくと、幅広い業界の求人を見ることができるのでおすすめです。
※マイナビのプロモーションを含みます
出典:公式サイト
仕事に疲れたと精神的に感じた場合の相談先
今の仕事を辞めたいという理由が、社内のパワハラやセクハラ、ハードワークによる心身の不調、人間関係からくる精神的な辛さである場合には、専門家に相談することをおすすめします。
1.こころの耳
「こころの耳」は、職場のメンタルヘルスに関する幅広い情報を提供するとともに、メンタルヘルス不調や過重労働による健康障害に関する相談窓口を設置している厚生労働省のポータルサイトです。
こころの耳では、人間関係や仕事に関する全般的な悩みを相談できるので、電話・SNS・メールなど、あなたが利用しやすい連絡手段で相談してみてください。
2.総合労働相談センター
「総合労働相談コーナー」は、労働局や労働基準監督署などに設置されている、労働者のための相談窓口です。
解雇や雇い止め、不当な配置転換、賃金の引き上げ、採用などに関する問題のほか、パワハラや嫌がらせなどのハラスメントの相談に乗ってくれます。
総合労働相談コーナーは労働局や労働基準監督署内に設置されています。そのため、各都道府県の労働局や労働基準監督署に出向くことで相談できます。
また、電話相談も行っているので、管轄の労働局・労働基準監督署のホームページを一度確認してみましょう。
3.カスタマーハラスメント悩み相談室
「カスタマーハラスメント悩み相談室」は、ハラスメントのことで悩んでいる人の相談窓口です。メール相談、SNS相談など、携帯電話・スマートフォンから気軽に相談することができます。
こうした専門機関を利用して、休職なども視野に行動してみてください。
仕事を辞めるか悩んでいる人におすすめの本
仕事を辞めるか悩んでいる人におすすめの書籍をご紹介します。
1:転職と副業のかけ算
私が書いた一冊です。新卒で地方ホームセンターへ入社し、転職と副業を通じて年収240万から年収4,000万に至るまでの実体験を書きました。おかげさまでAmazon総合ランキング1位、Amazonビジネス書ランキング1位を獲得し、ビジネス本大賞2020にもノミネートされました。
僕は、本書を通じて「転職して年収を上げたい」「サラリーマンとしての市場価値を上げたい」「給料以外の収入が欲しい」「老後のお金の不安を減らしたい」と考える人の一つのロールモデルになれたらと思っています。
これからの時代は、会社も組織も自分のキャリアを保証してくれません。自分の身は自分で守るしかないのです。
本書の内容の一部は「【無料公開】著者が語る『転職と副業のかけ算-生涯年収を最大化する生き方-』」で公開しています。
働く中でどのように思考して年収を上げたか?について具体的に書いてます。「給与はもらうものではなく、稼ぐもの」という考え方に興味がある人は、ぜひ読んでみてください。サラタメさんによる解説動画もあります。
2冊目となる『WORK-価値ある人材こそ生き残る-(日経BP)』も2022年1月に発売しているので、合わせて読んでみてください。
2:転職2.0
ヤフーの元執行役員で、世界最大級のビジネス特化型ソーシャル・ネットワーキング・サービス「LinkedIn」の日本代表を務めた村上さんの一冊。
村上さんとはForbes『自分の市場価値を知れば、「主体性」は自ずと生まれる──村上臣 x moto』でも対談させていただいたことがありますが、キャリアについて非常に本質的な考え方を持っており、自身も転職を通じてキャリアアップをされています。
「正しい転職の価値観」と「正しい転職の方法論」を知れば、これまでの経歴に関係なく誰もが〝我慢しない自由な働き方″を手にすることができるのだ。
これはまさに私も思うことなので、ぜひ転職に悩んだりしている人は読んでみてください。
3:シン・サラリーマン
サラリーマンYouTuberとして有名なサラタメさんの一冊。私もサラタメさんのYouTubeで転職について対談させていただきました。
書籍の中で『転職と副業のかけ算』も紹介いただいてますが、サラタメさんの実体験などをもとに本業、転職、副業について等身大で書かれています。
600ページを超える分厚い一冊ですが、読みやすさもあってあっという間に読めてしまうので、ぜひ読んでみてください。
4:科学的な適職
海外論文を60本以上引用し、幸福度が最大化される”適職”を科学的根拠に基づいた方法で見つける術を紹介してくれる一冊です。
著者の鈴木さんとはbizSPA!「年収アップで転職するのは幸せ?」moto×鈴木祐が語る、キャリア選択の解で対談させていただいたこともあり、個人的にもかなりおすすめの本です。マイナビ転職の公式YouTubeチャンネルでも書籍についてお話されています。
現職にもやもやしている人、就職・転職を控えている人、仕事における幸福度を高めたい人は読んでみる価値ありです。
5:転職の思考法
「転職の鉄板本」と言われる一冊。
「いつでも転職できる状態の人を1人でも増やし、人材の流動性が高まれば、日本の社会が変わる」という著者のメッセージも込められており、働くすべての人の参考になる本だと思います。
会社が潰れても生きていける大人と、生きていけない大人の2種類がいるとしたら、両者をわけるのは何か?それは、上司を見て生きるか、マーケットを見て生きるかだ。
タイトルにもあるように「このまま今の会社にいてもいいのか?」と思ったら読んでみると良い一冊です。ほかの本と合わせて読むとより深く理解できると思います。
そのほかのおすすめ書籍については『【厳選】転職やキャリアを考える人におすすめする“転職本10選”』をご覧ください。
まとめ
仕事を辞めたいと思ったら、上記のことを確認したり、書籍を読んでみてください。
筆者の経験上、仕事を辞めたいと思ったらまずは転職エージェントに相談してみるのがおすすめです。転職エージェントは、いろいろなパターンの転職者や退職の仕方を見ているので、多様なアドバイスをしてくれます。
転職エージェントを利用したからといって必ずしも転職しなければならない、ということはありません。「現職に残ったほうがいい」というアドバイスをくれることもあります。転職エージェントは無料で利用できるので、仕事を辞めるか悩んでいる人はぜひ利用してみてください。
参考になれば幸いです。
執筆者・監修者のmotoについて
moto
Follow @moto_recruit
起業家・著述家。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)、YouTubeチャンネル:『motoの転職チャンネル』。