20代女性の転職希望者から転職相談で最も多い悩みや希望には、下記のようなものがあります。
「安定して長く働ける会社に入りたい」
「結婚・出産しても続けられる仕事がしたい」
「女性が働きやすい職場で仕事がしたい」
20代の女性に転職で人気の求人は、ワークライフバランスを考慮した企業であることがわかります。
しかし、20代女性の転職はリスクを伴うもので、「ライフ」側の比重を高くしようと考え、求人票に「有給休暇あり」「産休・育休あり」と記載された企業を選んで入ったのに、制度はあれど取得できる人が少ない、最悪なケースは取得実績すらないというケースもあります。
本記事では20代女性の転職におすすめの職種と、転職活動における注意点、20代女性の転職に関する質問への回答をお伝えします。
20代女性が職種を選ぶ上で注意すべきこと
20代女性が転職先を選ぶ時に大事なのは、今後起こるライフイベントを想定し、安定して働ける職場かどうかを見極めることです。見極める上で注意すべき点を解説します。
1.求人票には書かれていない情報がある
求人票には書かれていない企業の実情は、自分で調べてもなかなか知り得ないところがあります。
求人票に「福利厚生充実」「産休・育休取得可能」「有給あり」などと書かれていても、いざ入社してみたら、福利厚生や有給はあるものの取得しづらい雰囲気だったり、求人票の条件通りの働き方ができていないことも少なくありません。
2.「福利厚生が整っている=大手」とは限らない
「福利厚生が整っている=大手」のイメージがあるかもしれませんが、そうとも限りません。
実際に大手企業のほうが福利厚生は充実していることが多いですが、取得実績がなかったり、同じ会社内でも職種によって内容が異なることがあります。
3.リアルな情報を入手する方法
リアルな情報を入手する方法の代表例としては、行きたい企業の口コミサイトの『OpenWork』などをチェックする方法があります。
しかし、口コミサイトのデメリットとしては、不正に書き込まれた口コミや、企業側がコントロールして(いわゆるサクラ)企業のイメージを良くしている場合があるので注意が必要です。
以前、転職希望者から「ある企業の口コミがどの程度信頼性があるかを調べてほしい」といわれて確認したところ、短期間で良い評価が一気に増えていて、企業側が恣意的にコントロールしていると思われる口コミ内容でした。
口コミ以外には、OB訪問や、信頼できる転職エージェントに実際の取得率や現場の雰囲気を確認することができるので、口コミ以外の選択肢も確認することを強くおすすめします。
20代女性の転職におすすめの職種
20代女性の転職におすすめの職種をご紹介します。また合わせて20代女性の転職に人気な理由と、その職種への転職難易度も解説していきます。
1.事務職
今も昔も、女性の転職に人気の高い職種である事務職。業務内容がある程度決まっていて、残業も少ないことからワークライフバランスを取りやすいところが人気の理由です。
事務職の主な業務は、企業においてのあらゆる事務作業全般にあります。他の社員のサポートをする役目を担うため、仕事の正確さやホスピタリティの高さが求められます。
もともと事務職は女性に人気の職種で倍率が高い上、近年の業務アウトソーシング化によって事務職求人は縮小傾向にあるため、転職の難易度は高くなっています。
【事務職に向いている20代女性の特徴】
事務職の仕事はルーティンワークが多いので、同じ仕事を淡々とこなせる女性に向いています。
また、任された仕事を期限以内に完了できるようタイムスケジュールの管理ができることも重要ですし、最近では事務職の仕事もPC作業がメインになっていますので、基本的なPC作業が苦にならないことが前提です。
【事務職で働くのにおすすめの業界】
同じ事務職でも業界によって働き方や仕事内容も多少変わってきます。
IT・Web業界であれば事務職であっても新しいことに挑戦する機会が多く、その分仕事も大変にはなりますがやりがいはあるでしょう。
また、メーカーや商社であれば、業務内容はほぼ毎日同じで、仕事をコツコツ地道にこなしていける人におすすめです。
事務職への転職を考える女性には『20代女性の事務転職におすすめの転職サイト』をご覧ください。
2.営業職
営業職は未経験からの転職難易度が比較的低い職種です。営業職を経験しておくとその後のキャリアパスも広がるため、20代女性の転職にも人気の高い職種になっています。
固定給に加えて営業成績に基づく歩合制を取り入れていることも多く、成果が収入に反映されモチベーションにつながります。
営業職ではコミュニケーション能力や企画力、交渉力、数字を追う感覚などさまざまなスキルを身につけられるので、20代のうちに営業を経験しておくと次の転職や、産休・育休後の復職でも職種の選択が可能になります。
【営業職に向いている20代女性の特徴】
営業職は仕事の過酷さよりもがんばった分をきちんと報酬が欲しい、という女性におすすめです。
営業職は、良くも悪くも成果が報酬に反映されやすい職種です。成果が出せずに上司から厳しいことを言われても、ポジティブに取り組んで成果を出すことに尽力できる女性に向いています。
また、営業にはコミュニケーション能力が必要不可欠になります。
【営業職で働くのにおすすめの業界】
営業職はどのような業界にとっても常に必要とされる職種です。
あなたの興味のある商品やサービスで業界を選んでもいいですし、より高いインセンティブを狙いたい女性には建築や住宅メーカー、金融系などがおすすめです。
営業職への転職については『営業職におすすめの転職サイト・転職エージェント10選』をご覧ください。
3.企画・マーケティング職
企画職は、新しい商品やサービスをイチから生み出したり、既存の商品やサービスを改良したりする仕事です。そして、一般市場の動向を探ってサービスや商品の宣伝・販促を行い、消費者に届けるのがマーケティング職の役割になります。
市場動向や消費者の反応を直接感じることができる面がおもしろく、やりがいにつながります。自分のアイデアやスキルを形にできるという点で、20代女性にも人気の職種です。
なお、未経験から企画・マーケティング職への転職の難易度はかなり厳しいため、営業や販売で知識と経験を培ってから転職を目指すのが良いでしょう。
4.コンサルタント職
コンサルタントの仕事は、クライアントである企業の経営上の課題を明らかにし、業績改善に導くことです。コンサルティングを行う分野はマーケティング、人事、経営戦略など多岐に渡り、各分野において深い知識と経験を持ってクライアントに的確な助言ができる能力が求められます。
年々コンサルタントの需要は高まっており、バリバリ働いて高収入を目指す20代女性に人気の職種です。ただ、コンサルタントの善し悪しは直接企業の業績にもつながるため、採用基準が厳しく転職難易度は極めて高めです。
コンサルタント職を目指す方は、中小企業診断士や社会保険労務士、公認会計士、FP、労働安全コンサルタント、キャリアコンサルタントなどの資格を取りながら、実務で知識を深めると良いでしょう。
コンサルタント職への転職については『【専門領域別】コンサル業界に強い転職エージェント15選』をご覧ください。
5.クリエイティブ・技術職
技術職は専門的な知識を必要としますが、一度知識やスキルを身につければ同じ分野での再就職もしやすくなります。ライフイベントに際して、離職をしても復職したい女性に人気の職種です。
職種としてはエンジニア、デザイナー、開発職、建築士などさまざまですが、研究職のような専門知識を要する職種は転職難易度が高いです。未経験から技術職への転職を目指す場合は、ITエンジニア関連で未経験・ポテンシャル採用を行っている企業がおすすめです。
【技術職に向いている20代女性の特徴】
技術職は「ものづくり」なのでモノをつくり出すことに興味があることは前提で、何か一つのことに突き詰めて技術を磨いていきたい女性におすすめの職種です。
また、技術職に従事する中で手に職をつけることができるので、一生食べていける仕事を見つけたい人にもおすすめです。
【技術職で働くのにおすすめの業界】
ものづくりに興味があり、安定性を求めるのであればメーカーがおすすめです。メーカーであれば製造や加工でも未経験から挑戦しやすいです。
またITやWebに興味があるなら、システムエンジニアやプログラマーという選択肢もあります。未経験からでも比較的挑戦しやすい業界です。
ITエンジニアの転職を考えている人は『IT/Webエンジニアにおすすめ転職サイト』をご覧ください。
20代女性の転職におすすめの資格
資格取得までには一定以上のお金と労力が必要ですが、妊娠・出産で一時的に離職したとしても復職・転職しやすい資格も多くあります。ここでは、20代女性の転職におすすめの資格・職種を紹介します。
1.公務員資格
公務員はライフワークバランスが比較的取りやすく、福利厚生も充実しています。公務員資格を取っておけば、年齢・職歴に関係なく転職できるので20代女性におすすめです。なお、公務員には国家公務員と地方公務員があり、地方公務員の場合は、所属する地域外への異動がないため、家庭のある方にもおすすめです。
2.ファイナンシャルプランナー
FP(ファイナンシャルプランナー)はお金に関する専門知識を活かして、ライフプランを立てるお手伝いをする国家資格です。相続、保険、不動産の有効活用、リスクや収益性について、幅広い知識を持つ資産の専門家としての証明になります。
資格を持っていれば金融業界だけでなく、保険会社、不動産業界などさまざまな業界で活躍の場があり、独立も目指せるため、キャリアアップ志向の20代女性におすすめです。
3.介護職員実務研修
介護職員実務研修は介護職に就くための入門資格であり、介護士としての基本的知識や技術を証明できる資格です。
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされているため、転職して一度経験を積み、資格を保有していれば将来にわたって「仕事を探す」という観点においては困ることが少なくなります。
4.医療事務
医療事務の資格は、医療機関での事務仕事に関する技能検定となります。医療事務の仕事は主に医療費の計算、レセプトの作成、カルテ管理などです。
主な勤務先は病院などの医療機関で、医療事務の資格は全国どこででも使えます。結婚後にも続けやすいので、今後のライフイベントを考える20代女性の転職にもおすすめの資格です。
20代女性で正社員に転職するポイント
20代女性はアルバイト・派遣社員であっても、正社員を目指せる可能性が大いにあります。
正社員を目指す20代女性の方は、日々の業務の中で実績をつくり、経験によって身につけたスキルや能力を生かして、さらに条件の良い求人にキャリアアップして、転職することを意識する必要があります。下記におすすめの転職方法をご紹介します。
1.ハローワークを利用する
まず、20代女性の転職には基本的にハローワークはおすすめしません。
理由としては、「募集要項と求人内容が異なることが多いから」です。それでもハローワークを利用したい場合は、口コミサイトの『転職会議』や『OpenWork』で会社の評判をチェックしてから応募するようにしてください。
2.転職サイト・転職エージェントを利用する
20代女性がアルバイトや派遣から正社員転職を目指すには、正社員未経験やフリーターの方を専門に転職サポートをしているエージェントや、転職サイトを利用して転職活動を進めることです。
特に20代女性においては、大手転職エージェントがおすすめです。転職をサポートしてもらえなかった第二新卒での転職希望者や正社員未経験の方のサポート実績も多いです。
3.紹介予定派遣を利用する
紹介予定派遣とは最長6カ月の派遣期間終了後、派遣先企業と本人の合意があれば正社員になれるという働き方です。
転職活動にかかる労力を節約できると共に派遣期間中に仕事内容や職場を見極めることができ、未経験からでも希望する職種に就ける可能性があります。
なお紹介予定派遣が難しい点としては、後の正社員雇用も視野に入れた選考がある点です。派遣期間の終了後に正社員として雇用されるためにも期間内で実績を出し、企業に認められる人材になる必要があります。
20代女性が転職先や職種を選ぶ際の注意点
20代女性が転職先を選ぶ際は、以下の4点に注意してください。
1.ライフプランに照らし合わせる
転職先を選ぶ際には、まず仕事面ではなくプライベートやライフイベントに関する将来プランを考えてみましょう。
女性に人気がある職種でも、あなたのライフプランに添わない可能性があるためです。
2.スキルアップになるかどうかを考慮
生涯働き続けるのが当たり前になっている昨今では、女性も実践的なスキルを持つことが重要視されています。
転職をする際に今後も活かせるスキルか、どのような業務に活かせるスキルが身につくかなどを十分に考慮して、転職先を選ぶようにしてください。
なお、スキルがつくと考えて転職先を選んでも、雑用ばかりの職場の可能性もあります。仕事内容については、できる限り転職する前に入念に調べておくと良いです。
3.キャリア計画と照らし合わせる
あなたが目指すキャリアから逆算して、転職先が最適な職場かどうかを見極めるのも重要です。
転職先にこの先ずっと勤めるとも限りませんし、今の気持ちや興味だけで転職先を決めるのではなく、「次につながる経歴をつくれるか」を意識してみましょう。
4.福利厚生が充実しているか
女性の転職先選びで転職先の福利厚生を確認することは、家庭と仕事の両立を叶えるためにもとても重要です。
特に育児や介護支援の関連制度や産休・育休をはじめとする休暇制度に関しては、きちんと確認しておきましょう。
育児や介護関連の制度が充実している会社であれば、ベビーシッターや保育園費用の補助など制度が充実している場合もあります。
20代女性の転職におすすめの転職サイト
20代女性の転職におすすめの転職サイトをご紹介します。『20代女性におすすめの転職サイト』も合わせてご覧ください。
1:マイナビジョブ20’s
口コミ:マイナビジョブ20’s 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:5,973(2024年11月20日現在)
求人数増減:+71(先週比↑up)
【公式サイト】https://mynavi-job20s.jp/
20代女性におすすめの転職サイトが『マイナビジョブ20’s』。
マイナビジョブ20’sは、適性診断を基にしたカウンセリングで、自分の特徴や強みを明確にした上で転職活動ができるため、20代の女性で自分の適性がわからない人におすすめです。
マイナビジョブ20’sの求人の半数以上が未経験OKや女性におすすめの求人であるため、第二新卒や未経験などの経験が浅い求職者にもおすすめです。
20代向けの転職サポートが強く、書類添削や面接対策などを行ってくれるため、安心して利用することができます。
※マイナビのプロモーションを含みます
出典:公式サイト
2:マイナビエージェント(女性の転職)
口コミ:マイナビエージェント(女性の転職) 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
【公式サイト】https://mynavi-agent.jp/womanwill/
20代女性におすすめの転職サイト2つ目は『マイナビエージェント(女性の転職)』。
契約社員や経験年数が少ない、ブランクがあるなどの女性転職者であってもきちんと推薦してくれる転職エージェントです。
マイナビ転職内にある女性求人案件を切り取る形で運営しているため、求人が探しやすく、ライフスタイルの変化など女性特有の悩みも解決しやすくなっています。
マイナビエージェント(女性の転職)は「リクルートエージェント」や「doda転職エージェント」と比較すると求人数は劣りますが、それでも求人の数は業界トップクラスであるため、少なすぎるということはないです。
※マイナビのプロモーションを含みます
出典:公式サイト
3:type女性の転職エージェント
口コミ:type女性の転職エージェント 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:12,517(2024年11月20日現在)
求人数増減:+60(先週比↑up)
【公式サイト】https://type.woman-agent.jp/
20代女性におすすめの転職サイトが『type女性の転職エージェント』。
「女性の転職エージェント」と謳っているだけあって、女性のキャリアについて熱心に取り組んでくれます。求人は日系大手から外資、中小など幅広く、企業の書類選考や年収交渉にも強いです。
面接前に過去に出た問題や、内定する人の傾向などを細かく教えてもらえるため、女性向け転職サイトとしてとても信頼できるサービスの1つです。
出典:公式サイト
4:ウィメンズワーク
口コミ:ウィメンズワーク 評判を確認
おすすめ度:★★★・・
公開求人数:5,738(2024年11月20日現在)
求人数増減:+74(先週比↑up)
【公式サイト】https://women.en-japan.com/
『ウィメンズワーク』はエン・ジャパンが運営する、女性の正社員求人に特化した求人サイトです。正社員登用案件のみを扱っているため、契約社員や派遣社員と間違えてしまう心配がありません。
条件検索によって自分の希望条件などさまざまな切り口で求人を検索することも可能です。また、人気の事務職の求人豊富なので無理せず働きたい女性にとっておすすめの転職情報サイトです。
出典:公式サイト
5:Ready就活
口コミ:Ready就活 評判を確認
おすすめ度:★★★・・
公開求人数:159(2024年11月20日現在)
求人数増減:+10(先週比↑up)
【公式サイト】https://frontier-agent.jp/
『Ready就活』は、ビジネスマッチング「Ready Crew(レディクル)」が運営する、20代女性のキャリアアップに特化した転職エージェントです。
Ready就活では営業職を中心とした求人を扱っており、未経験や異業種から転職したい女性を親身にサポートしてくれます。これまでの経歴や今後のなりたい姿などをヒアリングしつつ、キャリアプランの整理から手伝ってくれるので、転職を検討している段階の人にもおすすめです。
土日や夜間にも面談調整が可能なので、在職中で時間が取りづらいという人にもおすすめの転職エージェントです。
出典:公式サイト
20代女性向けの転職サイトをご紹介しましたが、女性全般におすすめの転職サイト『女性におすすめの転職サイトランキング10選』も合わせてご覧ください。
まとめ
20代女性の転職におすすめの職種や資格、転職活動の進め方についてお伝えしました。
理想のライフワークバランスを実現するには、自分にとってベストな働き方ができる職種を選択し、転職することです。
また、もし自分に合った職業がわからない場合には適職診断も受けてみましょう。『適職診断おすすめランキング10選』をご覧ください。
転職は人生においても大きなターニングポイントとなります。本記事の内容を参考に、より良い転職活動を行ってもらえたら幸いです。
執筆者・監修者のmotoについて
moto
Follow @moto_recruit
戸塚俊介。1987年長野県生まれ。地方ホームセンターやリクルート、ベンチャー企業など6回の転職を経験後、「転職アンテナ」を運営するmoto株式会社を上場企業へ売却。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)の代表取締役。著書は『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)、YouTubeチャンネルは『motoの転職チャンネル』がある。