
TwitterのDMで転職の面接に関する質問が増えてきたため、今回は私が面接で見ているポイントと、転職面接対策で準備しておきたい内容をまとめます。
面接対策は、回答を丸暗記する作業ではありません。面接官が知りたいのは「この人は何ができるのか」「入社後も同じように成果を出せるのか」「情報や仕事をどう捉えているのか」です。
そのため、転職面接対策では、実績の大きさよりも「自分が何を考え、どう動き、応募先でどう活かせるか」を話せる状態にしておくことをおすすめします。
転職面接対策でまず準備する質問リスト
転職面接でよく聞かれる質問は、ある程度決まっています。まずは次の5つに答えられるようにしてください。
1. 自己紹介
2. 転職理由
3. 志望動機
4. 自己PR、活かせる経験、実績、スキル
5. 逆質問
この5つは、どの企業でも聞かれる可能性があります。特に中途採用では、転職理由と志望動機、自己PRの一貫性を見られます。
例えば「裁量を広げたい」と転職理由で話しているのに、志望動機で「安定した環境に魅力を感じた」とだけ話すと、面接官は判断に迷います。言い方をきれいに整える前に、退職理由、応募理由、入社後にやりたいことを一本の線でつなげておきましょう。
面接対策シートに書いておく内容
面接対策シートを作るなら、長い文章を書き込む必要はありません。応募先ごとに、求人票で求められている経験、自分が話す実績、志望動機、逆質問を1枚にまとめてください。
書く項目は「応募企業が求めていること」「自分ができること」「実績の背景」「入社後に活かせること」「聞かれたら困る質問」「最後に聞きたい逆質問」の6つで十分です。回答を暗記するより、話す材料を整理する方が本番で言葉にしやすくなります。
時間がない場合の面接対策
面接まで時間がない場合は、すべてを完璧に準備しようとしないでください。優先するのは、提出した履歴書・職務経歴書の確認、求人票の読み直し、自己紹介と転職理由の整理です。
特に職務経歴書に書いた実績は、面接で深掘りされやすい部分です。数字だけを覚えるのではなく、目標、課題、自分の行動、結果、そこから学んだことまで話せるようにしておきましょう。
「転職面接はなんとかなる」と考えている方もいると思いますが、何も準備しないまま受けるのはおすすめしません。ただし、準備不足でも、応募先が求める経験と自分の経験が合っていて、面接で誠実に話せた場合は評価されることもあります。最低限、応募書類と矛盾しない回答だけは整えてください。
面接官が見ている3つのポイント
仕事での立場上、就活生や転職者の面接をする機会があります。
過去に在籍していたリクルートやベンチャー企業では、営業のポジションにつきながら転職者の採用面接もしてきました。
私が採用ポジションに関係なく見ていたのは、次の3つです。
- この人は何ができる人なのか
- この人の成果に再現性はあるのか
- 情報をどのように見ている人なのか
採用要件によって見る角度は変わりますが、面接官は「すごい実績」だけを見ているわけではありません。その人が入社後にどのように働き、どこで貢献できるかを確認しています。
質問1:あなたは何ができる人ですか?
転職の面接では「この人は何ができる人なのか」を見ています。面接する側と転職者の認識でズレやすいのが、この質問です。
例えば「私は売上目標を120%で達成してきました。四半期の全社会議でMVPを獲得し、年間では社長賞も受賞しました」と自己紹介する方がいます。
実績としては立派です。ただ、面接官が知りたいのは「すごい結果」だけではありません。見ているのは「その結果をどう作ったのか」です。
MVPや社長賞は、社内の評価として価値があります。一方で、応募先の会社が知りたいのは、自社でも使えるスキルや行動です。社内表彰だけを話しても、「この人を採用すれば何が任せられるのか」までは伝わりません。
伝えるべきは、結果の大きさよりも「どうやって目標達成率を120%にしたのか」です。
面接では、結果を先に伝えた上で「目標に対して、自分がどんな行動をしたのか」を具体的に話してください。プロジェクトの規模よりも、自分が考えたこと、実行したこと、変えたことの深さを見られています。
具体的には「どんな目標があったのか」「その目標を達成するために何を考えたのか」「自分が何をしたのか」「結果として何が変わったのか」を順番に話します。相手が同じ業界に詳しくない場合もあるため、背景情報まで含めて話すと伝わりやすくなります。
さらに、個人目標だけでなく、会社や部署が何を目指していたのかまで話せると評価されやすくなります。自分の仕事が、組織の売上、顧客満足、業務改善、人材育成のどこにつながったのかを整理しておきましょう。
会社は組織なので、与えられた目標を達成するだけでなく、組織全体の目標を理解して動ける人を評価します。面接前に、自分の実績が会社やチームにどう貢献したのかを一度書き出してみてください。
質問2:同じことをもう一度やるなら、どうしますか?
転職の面接で見ている2つ目のポイントは「再現性」です。
「何ができる人なのか」が見えてくると、次に面接官は「この人がうちに入社して、同じように活躍できるか」を確認します。
商品、組織、価格、顧客、関係者が変わった環境でも成果を出せるのか。ここを説明できるかどうかで、中途採用での評価は大きく変わります。
私は、いわゆる市場価値はこの部分に出ると考えています。
成果を出すプロセスで何を考え、何をしたか。それだけでなく、その経験から得た学びを次の環境でどう使えるかまで話せる人は、面接官に入社後の姿を想像してもらいやすくなります。
「もし同じ仕事をもう一度やるなら、どうしますか?」と聞かれたときに、前回と同じ行動を繰り返すだけの人と、前回の経験を踏まえて改善点まで話せる人では評価が変わります。
面接官を務めてきた経験上、これまでのキャリアで経験したことを、応募先の仕事でどう活かせるかまで具体的に説明できる人ほど、再現性を感じます。
説明するには、応募先の仕事をできるだけ具体的に想像しておく必要があります。求人票、採用ページ、事業内容、面接前にもらった情報を見て、「この業務なら自分の経験が使えそうだ」と言える部分を絞ってください。
成功体験だけでなく、失敗や後悔から学んだことも整理しておきましょう。うまくいった話だけを並べるより、次に同じ失敗をしないために何を変えるかまで話せる方が、入社後の成長を想像してもらいやすくなります。
面接を受けている会社に入社したら、これまでの経験をどのように活かし、どんな貢献ができるのか。ここまで話せると、自分を採用するメリットが伝わります。年収交渉を考える場合も、希望額の前に貢献できる内容を言語化しておきましょう。
質問3:あなたはどのように情報収集していますか?
面接で見ている3つ目のポイントは、情報の見方です。
面接官は、情報源の多さだけを見ているわけではありません。応募者がその情報をどう捉え、自分の意見としてどう話すのかを見ています。
「事実」と「感想」を分けて話せているか。客観的な情報をもとに、自分なりの判断を持てているか。こうした話し方には、日頃の仕事への向き合い方が出ます。
例えば、最近気になったニュースを聞かれたときに、ニュースの要約だけで終わる人と、自分の仕事や応募先の事業にどう関係すると考えたかまで話す人では、受け取られ方が変わります。
インプットの量を競う必要はありません。面接官が見ているのは「その情報から何を考えたのか」です。
ビジネスをする上で、情報の取り方と捉え方は評価につながります。業界ニュース、応募先の事業、競合企業、顧客の変化を見たときに、自分の仕事とどう関係するかを考える習慣を持っておきましょう。
SNSでの発信やフォロワー数を強調する必要はありません。聞かれていないのに「フォロワーが1,000人います」と話すより、どんな情報を見て、何を考え、仕事にどう活かしているかを話す方が伝わります。
転職面接で逆質問を準備する理由
逆質問は、面接の最後に聞かれることが多い質問です。「特にありません」と答えるより、応募先で働く前提で確認したいことを1~3つ用意しておくことをおすすめします。
逆質問で見られるのは、質問のうまさだけではありません。応募先の事業や仕事内容をどこまで理解しようとしているか、自分が入社後に何を担いたいのかも伝わります。
例えば一次面接では、配属部署の役割、入社後に任される業務、活躍している人の特徴を聞くと、仕事内容の理解が深まります。最終面接では、事業の方向性、組織として期待している役割、入社後に求められる成果を聞くと、経営や組織の目線に近づいた会話ができます。
一方で、調べればすぐ分かる福利厚生や制度だけを聞くと、仕事内容への関心が弱く見えることがあります。条件面を確認すること自体は悪くありませんが、面接ではまず「自分がどう貢献できるか」に関係する質問を優先してください。
転職エージェントにおける面接対策の流れ
ここまで面接官が見ているポイントを解説してきましたが、こうした面接対策は転職エージェントでも相談できます。自分一人で回答を整理しきれない方や、企業ごとの面接傾向を知りたい方は、転職エージェントを使うと準備しやすくなります。
面接対策までに聞かれること
転職エージェントとの面談では、主に下記の6つを聞かれます。面談前に整理しておくと、紹介される求人や面接対策の精度が上がります。
1. 転職理由
2. 希望の業界・職種
3. 今までの職務経歴・強み・実績
4. 現在の年収・希望年収
5. 現在の転職活動状況
6. 希望する転職時期
すべてを完璧に準備できなくても問題ありません。むしろ、整理できていない部分を担当者に伝えた方が、転職理由や自己PRを一緒に言語化してもらいやすくなります。
転職エージェントとの面談の流れは下記です。
1:自己紹介
まずはお互いに自己紹介をします。転職エージェントからは、自社の特徴、サポート実績、今後の進め方、担当者が得意とする業界や職種について説明があります。ここで、面接対策まで対応してもらえるか、応募先ごとの質問傾向を教えてもらえるかを確認してください。
2:職務経歴・仕事の内容の確認
履歴書や職務経歴書をもとに、これまでのキャリアやスキルを確認します。担当者から客観的な意見をもらうことで、自分では強みだと思っていなかった経験が面接で使える材料になることもあります。
3:転職理由や今後の希望のキャリアをヒアリング
次に、転職理由や希望する職種・業種について話します。この時点で希望が固まっていなくても構いません。ただし、「なぜ今の会社を辞めたいのか」「次の会社で何を変えたいのか」は、面接でも必ず見られます。担当者には本音に近い内容を伝えた上で、面接で話せる表現に整えてもらいましょう。
4:転職先に関する希望条件
年収、勤務形態、勤務地、福利厚生など、転職先に求める条件を整理します。希望条件は正直に伝えて構いませんが、条件が多すぎると紹介される求人が少なくなることがあります。譲れない条件と、相談できる条件を分けておくと、求人を比べやすくなります。
5:求人案件の紹介
ヒアリング内容を踏まえて、転職エージェントから求人を紹介されます。求人票だけでは分からない社風、選考で見られやすい点、過去に内定した人の傾向を聞ける場合もあります。
気になる企業があれば、面接前に「過去に聞かれた質問」「面接官の役職」「どの経験を強く話すべきか」を担当者に確認してください。
6:転職活動の今後の流れの説明
最後に、今後の転職活動の流れや、紹介された求人に応募する場合の進め方について説明があります。面接日程の調整や、応募後のフォローをどこまで任せられるかも確認しておきましょう。
7:職務経歴書の添削
気になる求人があれば、企業へ応募する前に職務経歴書を添削してもらえます。職務経歴書は面接で深掘りされる材料になるため、担当者に「この求人なら、どの経験を前に出すべきか」を聞いておくと本番でも話しやすくなります。
また、本サイトでも『転職の専門家が教える“戦略的”職務経歴書の書き方(無料テンプレート付)』で解説しているので、合わせて読んでみてください。
8:面接対策
書類選考を通過すると、応募企業に合わせた面接対策を受けられることがあります。過去に出題された質問、面接で見られやすいポイント、内定者が評価された話し方などを確認してください。
面接対策では、想定質問に答えるだけでなく、担当者に「この回答だと面接官はどう受け取りそうか」を聞くのがおすすめです。自分では伝えたつもりでも、相手には実績の背景や貢献内容が見えていないことがあります。
ハローワークでも面接対策は相談できる
転職エージェント以外では、ハローワークでも応募書類や面接の受け方について相談できます。地域によっては、個別相談やセミナーを実施しているため、求人応募前に面接の受け答えを確認したい方は活用してみてください。
特に、地元企業への応募、ブランクがある方、応募書類の作り方から相談したい方は、ハローワークの窓口で求人内容に合わせた助言を受けられる可能性があります。民間の転職エージェントと併用しても問題ありません。
転職面接の注意点
転職エージェントは、キャリアアドバイザーによって対応の質や得意領域に差があります。担当者と合わないと感じることもありますが、その場で使わないと決める前に、引き出したい情報を明確にして面談に臨んでください。
同じ転職エージェント内でも、担当者が見ている求人データベースは共通していることがあります。こちらが「どんな求人を見たいのか」「どの経験を面接で打ち出したいのか」を伝えられると、紹介求人や面接対策の質も変わります。
担当者に違和感がある場合は、担当変更を依頼する選択肢もあります。ただし、毎回「良い担当者に当たるまで待つ」だけでは時間を失います。転職エージェントを使うときは、担当者に任せきりにせず、自分から確認したいことを用意しておきましょう。
転職エージェントとの面談で自分が求める求人を出してもらうには、面談前の準備も必要です。このあたりは「【面談】転職エージェントとのキャリア面談で伝える内容と回答のポイント」にまとめているので、合わせてご覧ください。
転職の面接対策に強い転職エージェント
転職の面接対策に強い転職エージェントをご紹介します。どのサービスも、求人紹介だけでなく、応募書類や面接の準備まで相談できます。
ただし、面接対策の内容は担当者や応募企業によって変わります。登録後は「模擬面接を受けられるか」「企業ごとの質問傾向を教えてもらえるか」「面接後のフィードバックをもらえるか」を確認してください。
1:doda

口コミ:doda 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:30万件以上(2026年7月13日現在)
【公式サイト】https://doda.jp/
面接対策まで相談したい方におすすめなのが『doda』です。
dodaは『面接で必ず聞かれる5つの質問~回答例文と対策~』や逆質問、自己PR、転職理由などの面接ノウハウがまとまっているため、面接前に自分でも準備を進めやすいサービスです。
エージェントサービスでは、希望に応じて模擬面接などの面接対策を受けられます。初めての転職で、自己紹介や転職理由の話し方に不安がある方は、応募前に担当者へ相談しておくとよいでしょう。
また、dodaでは面接力アップセミナーも実施しています。面接官の視点や、自己PR、転職理由、志望動機の考え方を学びたい方は、公式サイトで開催状況を確認してください。
出典:公式サイト
2:マイナビ転職エージェント

口コミ:マイナビ転職エージェント 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
【公式サイト】https://mynavi-agent.jp/
面接対策に強い転職エージェントの2つ目は『マイナビ転職エージェント』です。
マイナビ転職エージェントは、はじめての転職や20代、30代など、転職回数や年代に応じたサポートを打ち出している転職エージェントです。公式サイトでは、2026年オリコン顧客満足度で4年連続総合1位を獲得したことも紹介されています。
『中途採用・転職面接の質問と回答例まとめ!流れやマナーもあわせて解説』にもあるように、面接の流れや質問例を事前に確認できます。
また、マイナビ転職エージェントでは、模擬面接、自己PRの整理、面接マナーの確認などを相談できます。自分の強みをどう話せばよいか分からない方や、初めての転職で面接の流れを確認したい方に向いています。
※マイナビのプロモーションを含みます
出典:公式サイト
3:リクルートエージェント

口コミ:リクルートエージェント 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:760,000(2026年7月13日現在)
求人数増減:±0(先週比→keep)
【公式サイト】https://www.r-agent.com/
企業ごとの面接傾向を知りたい方におすすめなのが『リクルートエージェント』です。
リクルートエージェントは、企業から収集した情報をもとに、求人票だけでは分からない企業情報や、過去の質問例、面接で注目されるポイントなどを伝えてくれる転職エージェントです。
『面接でよく聞かれる質問と回答例を徹底解説』でも、職務経験、転職理由、志望動機、自己PR、自己紹介など、一次面接で聞かれやすい質問が整理されています。
登録者向けに面接力向上セミナーも用意されているため、面接で何を中心に伝えるべきかを整理したい方は、担当者に利用できるサポートを確認してみてください。
出典:公式サイト
転職面接対策まとめ
転職面接対策で最初にやるべきことは、想定質問の回答を暗記することではありません。応募先が求める経験と、自分が話す実績をつなげることです。
面接官は、実績の大きさだけでなく「何ができるのか」「別の環境でも活躍できるのか」「情報や仕事をどう捉えているのか」を見ています。
自己紹介、転職理由、志望動機、自己PR、逆質問は、面接前に必ず整理してください。時間がない方は、職務経歴書に書いた実績と求人票を照らし合わせ、どの経験を話すかだけでも決めておきましょう。
面接対策本や面接対策アプリは、質問の型を知るには役立ちます。ただし、応募先ごとの見られ方までは分からないこともあります。企業ごとの質問傾向や話す内容を確認したい方は、転職エージェントやハローワークも活用してください。
こちらの内容は私の書籍にもまとめているので、ぜひ読んでみてください。また合わせて「転職面接対策おすすめ本」の記事もご覧ください。
執筆者・監修者のmotoについて
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起業家・著述家(Wikipedia)。実名は戸塚俊介。広告・人材・IT業界など8社へ転職。副業でmoto株式会社を起業し、上場企業へM&A。現在はHIRED株式会社(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)代表取締役。著書:『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)



