
この記事では、これまでに5回の転職を経験したmotoが、各転職エージェントごとの面談方法とその対策についてご紹介します。
本記事を監修しているmotoは、転職やキャリアに関する知見を発信し、Forbes JAPANや日経ビジネスなどのメディアに取り上げられています。
Twitterアカウント(@moto_recruit)のフォロワーは12万人を超え、著書『転職と副業のかけ算』はAmazon総合ランキングで1位のベストセラーとなりました。
motoのキャリアやこれまでの実績についてはプロフィールページをご覧ください。
転職エージェントの面談目的
まずはじめに、簡単に転職エージェントについて説明します。
転職エージェントは、キャリアコンサルタントやキャリアアドバイザーが、自分に合った求人を送ってくれる転職サービスです。リクルートエージェントやマイナビエージェント、パソナキャリアなどが転職エージェントにあたります。
自分で求人を探す転職サイトと違って、おすすめの求人や応募書類の準備、面接対策、推薦文や入社までフォローをしてくれるので、効率的に転職活動をすることができます。
転職サイトから応募するのも良いですが、個人的には転職サイトだけでなく転職エージェントも活用して、推薦文などをつけてもらったほうが、書類選考を通過する企業のレベルや年収は高くなると感じました。
まず、転職エージェントに登録すると「面談」の案内がメールで届きます。その後、転職エージェントの担当者と日程を調整し、面談を通して「自分に合う求人」を紹介してもらうのが基本的な流れです。
転職エージェント各社にはそれぞれの特徴があるため、その特徴を理解して面談に臨んだ方が良いです。ここを知っておくだけで、いい求人を紹介してもらえる可能性が上がります。
下記は、私の実体験に基づいた主観ではありますが、それぞれの転職エージェントから良い求人を出してもらう面談方法をご紹介します。全年代におすすめの転職サイトと、おすすめの転職エージェントも合わせてご覧ください。
転職エージェントとの面談に必要な持ち物
転職エージェントとの面談には「履歴書」と「職務経歴書」を準備しておきましょう。事前に送付しておくとより良いです。
また事前に気になる求人があれば合わせて持ち込むのがおすすめです。気になる求人をもとに、類似する求人を紹介してもらえるようになるので事前にいくつか求人を確認しておきましょう。
1.履歴書
転職エージェントの登録には履歴書が必要になります。一般的なフォーマットのもので問題ないですが、もし不安な方はリクルートエージェントやdodaの履歴書作成ツールなどを活用してみてください。
面談当日に履歴書を持参する場合は、必ず写真を貼っておくようにしてください。証明写真は事前にデータをアップロードしていくケースもあるので、登録した転職エージェントの登録の流れを確認しておくと良いです。
2.職務経歴書
転職エージェントに登録する際には職務経歴書も必要になります。
最終的に転職エージェントが添削してくれるため、最初はおおまかなものを作成していってください。職務経歴書の書き方については『転職の専門家が教える“戦略的”職務経歴書の書き方(無料テンプレート付)』をご覧ください。
面談当日の服装について
転職エージェントとの面談当日の服装は基本的に自由です。無難なのはスーツですが、現職がスーツではなく職場から直接面談に向かう方もいると思うので、服装はスーツに限りません。リクルートエージェントとの面談は私服でもスーツでもどちらでもOKです。
転職エージェントとの面談の流れ
転職エージェントとの面談の流れは下記です。
1.自己紹介をする
まずはお互いに自己紹介をします。転職エージェントは自社の特徴やサポート実績、今後のプラン、またエージェント本人のキャリアやサポート実績、サポートを得意とする分野などについても説明があるかと思います。
ここで気になることがあれば転職エージェントに質問をしてかまいません。あなたの転職をサポートするのに合っているのか確認しておきましょう。
また、面談では「初めての転職活動でアドバイスが欲しい」「自分に合う求人が何か知りたい」など、なるべく本音で思っていることを伝えましょう。キャリアアドバイザーはその要望に沿って話を進めてくれます。
2.職務経歴・仕事内容を伝える
あなたの用意した履歴書・職務経歴書をもとにこれまでのあなたのキャリア・スキルを掘り下げていきます。
- 現職の詳細な仕事内容
- これまでの実績
- これまでの転職実績について
- 今の会社に入った理由など
転職エージェントからの客観的な意見をもらうことで、あなた自身が気づいていないアピールポイントや強みを知ることができるいい機会になります。それによって転職の選択肢も広がる可能性もあります。
キャリアアドバイザーは履歴書や職務経歴書、面談の内容からあなたの強みや弱み、どのような業界・職種に向いていそうかなどを確認していきます。
3.転職理由を伝える
次にあなたの転職理由や転職を希望する職種や業種についてヒアリングを行います。
この時点で希望の職種や業種が決まっていなくても大丈夫です。転職エージェントがあなたの転職理由から次の転職先を選ぶ際に重視すべきこと・仕事観などを紐解き、あなたの目指すキャリアとどういった職場があなたに合っているのか一緒に考えていきます。
面談で大切なことは、ネガティブなことでも正直に伝えることです。「残業時間が長すぎるから転職したい」「上司と合わないから転職したい」「年収が低いから転職したい」など、ネガティブな理由もきちんと伝えるようにしてください。
こうしたことをきちんと伝えることで、キャリアアドバイザーからよりマッチした求人をもらいやすくなります。
4.転職先の希望条件を伝える
転職するにあたり、あなたが転職先に求める年収、勤務形態、福利厚生などの条件を整理していきます。下記に整理しておくべき条件をご紹介します。
職務内容 |
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年収 |
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ライフワークバランス |
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職場環境 |
|
上記の条件を確認し、自分の中で優先順位をつけてください。
転職してから後悔しないためにも、多くの条件を希望するのも構いませんが、あまり多く条件を挙げすぎると紹介してもらえる求人案件が少なくなる可能性がありますので注意してください。
5.求人を紹介してもらう
ここまでのヒアリングを踏まえ、転職エージェントからあなたに合った求人案件の紹介を受けます。
転職エージェントを利用するメリットの1つとして、この段階であなたに紹介される求人案件に関しては求人票に記載されている情報に加え、企業の社風や福利厚生の取得率など、転職サイトや公式ホームページからでは知り得ない情報も教えてくれます。
気になる企業や不明な点があれば転職エージェントに質問して細かく確認しておきましょう。
また、面談時に提案された求人に必ず応募する必要はありません。断った場合も印象が悪くなることはないので、どこが合わなかかったかを本音で伝えるようにしてください。
6.転職活動の今後の流れを確認する
最後に今後の転職活動の流れや、あなたに合った求人が新たに発生すれば連絡する旨、また、紹介された求人案件の中にあなたが気になる案件があった場合の今後の流れなどの説明があり、面談は終了となります。
現時点で気になる点は必ず質問しておくことをおすすめします。転職エージェントを使った転職活動は、キャリアアドバイザーとのコミュニケーションが非常に大切です。信頼できる転職エージェントを見つけましょう。
紹介された求人について気になることはきちんと質問し「もっとこういう条件の求人が欲しい」といった希望は必ず伝えるようにしましょう。
転職エージェントの面談で相談・質問すること
転職エージェントと面談で相談や質問すべきポイントを6つご紹介します。下記の質問を相談することで、より転職活動をスムーズに進められるようになります。
1. 転職理由について
転職エージェントとの面談では、転職理由も相談してみてください。
転職エージェントとの面談では、転職理由はネガティブなものでも構いません。まずは本音で転職したい理由を伝えるようにしてください。本音を伝えることで、企業の面接でどのように伝えるべきかなどのアドバイスをもらうことができます。
「年収が低い」「残業が多い」「社風が合わない」など、転職に至った理由をきちんと本音で伝えましょう。
2. 希望する業界・職種について
転職エージェントは面談で求人を紹介してくれます。その際「どの業界・職種を志望するか」を事前に決めておくと良いでしょう。
希望する業界や職種は未経験でも構いません。まずは自分がやってみたいことから志望する業界や職種を考えてみてください。面談で希望を伝えると、転職エージェントが紹介できる求人の有無や選考を受けられるかどうかを教えてくれます。
希望する業界や職種がない場合も、その旨を伝えてください。未経験でも出来る仕事や、これまでの経験を活かせる求人を紹介してもらえます。
3. 自分のスキルや強み、実績について
転職エージェントに登録する際に職務経歴書を登録しますが、それだけでなく、自分の強みや実績についても相談してみましょう。
これまでの仕事における実績や、これまでの経歴で得たスキルなどを簡単に整理して伝えることで、転職エージェントからよりブラッシュアップした内容をもらうことができます。
アピールするようなスキルや実績がない人は、転職エージェントにその旨を正直に伝えてください。キャリアアドバイザーは多くの転職者を見てきているため「この経歴なら、〇〇の経験が強みになる」「〇〇な仕事をしていたら〇〇なスキルをアピールできる」というように、あなたのアピールポイントを提案してくれます。
4. 現在の年収・希望年収について
現年収をきちんと把握しておくことも大切です。
前年度の源泉徴収などから、自分の現年収を把握しておいてください。また、合わせて転職後の希望年収も考えてみてください。現職と同じ年収でいいという人もいるかと思いますが、出来るだけ年収を上げる転職をする方がキャリアにとって良いです。
また、転職エージェントは年収交渉なども行ってくれます。転職エージェントは転職決定者の年収の30~35%を報酬として受け取るビジネスをしているため、年収を上げる交渉に慣れています。最初から年収をあきらめずに、自分の希望する年収を考えてみてください。
5. 転職活動状況について
現在の転職活動のステータスも伝えてください。
複数の転職サイトや転職エージェントを利用している場合には、その旨もきちんと伝えてください。複数の転職エージェントから同じ志望企業にたくさん応募してしまうと、転職エージェントの信用を失ってしまいます。必ず、今どの転職エージェントを利用しているか、転職サイトではどのような企業に応募しているかを共有してください。
また、現職に残留する意向がある場合は、その旨も伝えるようにしてください。転職エージェントと面談したからと言って必ず転職しなければならないわけではありません。
現職の残留も視野に入っていることを伝えておくことで、転職エージェントとの距離も保てるので、本音を伝えてください。
6. 転職を希望する時期について
転職を希望する時期についても相談してみてください。
現職を退職するまでにかかる時間や入社時期は、転職エージェントが転職先の企業側と交渉してくれます。そのため、おおよその転職希望時期は伝えるようにしてください。
もし、急ぎで転職したい場合もその旨を相談してください。選考を早められないか、入社時期を早くできるかなどの調整を転職エージェントが行ってくれるので、いつまでに転職したいのかということもきちんと伝えましょう。
転職エージェントとの面談対策
前提として、転職エージェントはキャリアアドバイザー(担当者)ごとの差が大きくあります。例えどんなに仕事ができない転職エージェントにむかつくことがあっても、使わないほうが損をします。
転職エージェントが見ている求人のデータベースは全員同じです。つまり、こちらが「転職エージェントからどう求人を引き出すか?」がポイントになります。
「転職エージェントの担当がむかつくから、良い転職エージェントの担当者にあたるまで面談に行く」という人もいますが、その時間がもったいないので「各転職エージェントをどう使いこなすか」という視点で面談に臨むようにしてください。
転職エージェントとの面談で「自分が求める求人」を出してもらうには、転職エージェントに合った姿勢で面談に行くことが大切です。下記に注意点をあげておきます。
1.キャリアアドバイザーへ見え方も意識する
転職エージェントの担当者であるキャリアアドバイザーへの見え方を意識するようにしてください。初対面の場である面談時に、横柄な態度をとったり、自分勝手な条件ばかり要求する求職者になってしまうと、手厚いサポートを受けられなくなる可能性が高いです。
時間に遅刻しない、丁寧な言葉で話す、お互いにコミュニケーションをきちんと取るなど、社会人として最低限のマナーを守って対応するようにしましょう。
2.退職理由や現職への不満を話の中心にしない
転職エージェントに退職理由を聞かれた際、不満ばかり話しすぎないようにしましょう。
面談時間の大半を愚痴や不満を言うだけで終わってしまうと、いい求人を紹介してもらう時間が短くなります。また、あまり不満を言うと、転職してもすぐに辞めてしまうのではないかと思われてしまい、その後の転職サポートをあまり受けられなくなってしまうかもしれないので、注意しましょう。
3.本音で話しすぎない
転職エージェントにはなるべく本音で話す方がいいですが、あまりにも本音で話すぎてしまうのは危険です。
例えば、本音で「前職同僚と揉めて退職した」などと言ってしまうと「この人、人間性的に問題があるかもしれない」という思われてしまう可能性が高いです。
転職エージェントはすぐやめてしまいそうな人を避けるケースが多いので、転職のサポートを満足に受けられなくなる可能性があります。本音で話すぎないように注意しましょう。
4.他社転職エージェントの利用状況も伝える
1社のみしか利用していない場合は問題ないですが、複数社利用している場合は、その旨を素直に伝えましょう。
そうすることで他社との競争意識を持ってもらえたり、市場価値がある人材であることを伝えることができます。素直に現在利用している他社転職エージェントを伝えてみてください。
転職エージェントの面談を成功させるポイント
転職エージェントをタイプ別分けて、それぞれの面談におけるポイントを解説します。
1.総合型大手転職エージェントとの面談ポイント
「とりあえず多くの求人を見てみたい」と考える転職者や、初めての転職、2回目の転職者におすすめなのが、doda転職エージェント、リクルートエージェント、パソナキャリアです。
1:doda転職エージェント
口コミ:doda 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:188,850(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://doda.jp/
出典:公式サイト
2:リクルートエージェント
口コミ:リクルートエージェント 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:366,541(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://www.r-agent.com/
出典:公式サイト
3:パソナキャリア
口コミ:パソナキャリア 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:36,745(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://www.pasonacareer.jp/
出典:公式サイト
【面談を成功させるポイント】
上記3つの転職エージェントは、大手であることや対面や電話による面談があるため安心感がある一方で、入社間もない新人が面談を担当することがあるため、キャリア相談が頼りないケースもあります。
このタイプの転職エージェントには、キャリア相談に過度な期待をせず「市場にある求人を総合的かつ幅広く出してもらうこと」に努めるのがおすすめです。
大量求人タイプの転職エージェントとの面談では「どんな仕事にも興味のある転職者」のような振る舞いがおすすめ。
初めて転職する人にはいろいろな求人を出してくれるので、業界や職種を決め打ちで行くよりも、幅広い求人をもらって市場感を把握してみてください。
面談では、あらゆる検索条件を伝えるのが良いです。「年収はXXX万円以上、勤務地はXXとXX、業界はXXとXXとXX、職種はXXとXXとXXX、役職はXX以上」など、幅広く伝えて、今ある求人で該当するものをすべて提示してもらうことを目標としてください。
大手転職エージェントで大量に求人をもらい、興味の有無で求人を仕分けていく「自分は何に興味があるのか」「大事にしている軸は何か」「今、何に不満を感じているのか」などがわかるようになるはずです。その軸を見つけるためにも、たくさん求人を出してもらってください。
2.中小転職エージェントとの面談ポイント
志望企業をある程度決めている人や、2回目以降の転職者におすすめなのが、少数精鋭でやっているtype転職エージェント、Geekly(ギークリー)、プロフェッショナルバンクなどの小規模~中規模転職エージェントです。
1:type転職エージェント
口コミ:type転職エージェント 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:10,529(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://type.career-agent.jp/
出典:公式サイト
2:Geekly
口コミ:Geekly(ギークリー) 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:18,360(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://www.geekly.co.jp/
出典:公式サイト
3:プロフェッショナルバンク
口コミ:プロフェッショナルバンク 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
【公式サイト】https://www.pro-bank.co.jp/
出典:公式サイト
【面談を成功させるポイント】
大手転職エージェントと違って、大量に求人を紹介することが得意ではないタイプなので、少数の求人でベストマッチングを追求してくるケースが多いです。
あまり多くの求人は見れませんが、1点集中で徹底して求人にコミットしてくれます。面接対策や過去に聞かれた質問なども把握しているので、決定率が高いのが特徴です。
面談で「企業から特別に依頼を受けている非公開の求人がある」と特別感を出してくることがありますが、経験上、数週間後に転職サイトに掲載されている求人であることがほとんどなので、こうした情報は鵜呑みにしなくて大丈夫です。
面談を続けていくと「あなたにはこの会社が合います!」と特定の求人を出してくれるので、その求人が「自分に合う」と思ったら受けると良いです。
押してくるだけあって、ほかのどの転職エージェントよりも年収交渉や企業への交渉をコミットしてくれます。
中小の転職エージェントとの面談では「少し転職に慣れている雰囲気」を出すといいです。
すでに他のエージェントと面談もしていて、企業とも面接しているくらいの姿勢で臨むと、転職エージェントが押してくる求人の幅を増やしてくれます。
自分に合った条件を引き出すようなコミュニケーションを意識してください。条件が合えば一生懸命に企業へ推薦してくれるので決定率が高くなります。
まずは思うままに話をして、紹介される求人に対して「興味があるか、ないか」をはっきり伝えること。大切なのは、興味のない求人を出されたときに「どこが希望に沿わないか」を明確に伝えることです。
後日、別の求人を送ってくれる可能性が高いので、認識にズレがないようしっかり伝えるのがおすすめです。
3.スカウト型転職エージェントとの面談ポイント
「自分のキャリアについて丁寧に向き合ってほしい」と考えている人は、ビズリーチ、クライス&カンパニー、doda X(旧iX転職)を使うと良いです。
1:ビズリーチ
口コミ:ビズリーチ 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:83,275(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://www.bizreach.jp/
出典:公式サイト
2:リクルートダイレクトスカウト
口コミ:リクルートダイレクトスカウト 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:415,068(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://directscout.recruit.co.jp/
出典:公式サイト
3:doda X(旧iX転職)
口コミ:doda X(旧iX転職) 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:24,300(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://doda-x.jp/
出典:公式サイト
【面談を成功させるポイント】
スカウト型転職エージェントとの面談では「こう見えて、実はすぐに転職したい」という雰囲気を出すのがおすすめ。
「あれ、意外と転職に積極的なのか」と思われないと、長い目での求人提案が多くなります。今ある求人を多く紹介してもらうようなコミュニケーションをするのがおすすめです。
中には、寄り添いたい気持ちが強いあまり、面談で「生い立ち」から話を聞いてくる転職エージェントもいます。しかし、ちゃんと話をすることでいろいろな求人を紹介してくれたり、長い付き合いになる転職エージェントになっていくこともあります。
「いろいろな求人を、すぐに見たい」とはっきり伝えて、自分に合う求人を徹底的に出してもらい、将来のキャリアを含めて企業選びの相談をすると良いです。
彼らは一人ひとりに時間をかけるため、面談者を多く抱えていません。なので、あなた自身に魅力を感じれば向こうから積極的にコンタクトをしてくれるので、長い付き合いになっていきます。
4.特化型転職エージェントとの面談ポイント
同業に転職したい、と考える20代後半から30代におすすめなのが、JACリクルートメントやコトラ、ムービンです。
1:JACリクルートメント
口コミ:JACリクルートメント 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:14,889(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://www.jac-recruitment.jp/
出典:公式サイト
2:コトラ
口コミ:コトラ(KOTORA) 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
【公式サイト】https://www.kotora.jp/
出典:公式サイト
3:ムービン
口コミ:ムービン 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
【公式サイト】https://www.movin.co.jp/
出典:公式サイト
【面談を成功させるポイント】
多くの転職エージェントは「人材業界」の経験しかありませんが、上記の転職エージェントは業界特化とあって、担当エージェント自身が「金融業界」や「コンサル業界」「IT業界」などの経験者です。
人材業界しか経験していない転職エージェントと違い、業界の内情をリアルに知っているエージェントからの提案なので、求人の質やキャリアアドバイスは有用なことが多いです。
とはいえ、業界特化といっても「特殊な求人」や「限定求人」を持っているわけではないため、大手の求人より少しランクが低い企業の求人や、決まりやすい企業を紹介されることも多いです。
決して「バカにしてる」などと思わず、業界出身者からの価値ある提案なので、現実として受け止めるようにしてください。
異業界、異業種への転職を考えていない人にはこのタイプの転職エージェントを使うのが最も効率的です。
面談でのスタンスは業界に詳しい前提を持ちながら「論理的に話す」ことを意識すると良いです。彼らは業界内での評判が大事なので、中途半端な候補者を企業へは紹介しません。
事前に転職動機や次に行きたい企業への志望動機、キャリアビジョンなどを明確にして臨むと良いです。
業界専門タイプの転職エージェントには、転職エージェント自身の過去のキャリアについて詳しく聞くといいです。どういう部署にいたか、どんな職種だったかがわかると共通の話題を見つけることができます。
徐々に距離を縮めて仲良くなりつつ、行きたくない求人にははっきりNo!と伝え、嫌な理由を論理的に伝えると良いです。
転職エージェント以外の情報も見る
大前提ですが、転職エージェントの情報だけを鵜呑みにしないようにしてください。
もちろん正しい情報を伝えてくれていると思いますが、中には入社を焦らせるためにいろいろな情報を流してくることもあります。転職の際は、下記の情報も合わせて見てください。
1:転職会議
口コミ:転職会議 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
公開求人数:254,746(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://jobtalk.jp/
『転職会議』は「5ch化してる」なんて言われたりもしてますが、とはいえ、実際の声なので参考になることが多いです。転職サイトに掲載されている企業のほとんどが網羅されているため、転職先の企業名で検索して口コミを見てみてください。
特に見るべきは「年収」と「退職理由」の項目です。正社員のコメントだけでなく、派遣社員や契約社員の口コミもあるので、情報を幅広く参考にすることができます。
比較的にネガティブな口コミが多くなっています。あまりネガティブなコメントばかりを気にせず、ポジティブな部分に目を向けて企業を決める際の参考材料にしてみてください。
出典:公式サイト
2:OpenWork
口コミ:OpenWork 評判を確認
おすすめ度:★★★★★
公開求人数:52,586(2023年3月22日現在)
【公式サイト】https://www.vorkers.com/
企業のクチコミを見ながら転職活動ができるサイト『OpenWork』。登録ユーザー数は485万人以上。企業のリアルな年収情報や、中途採用の求人が掲載されています。また、あなたの履歴書を登録しておくと、企業からのスカウトも届きます。
OpenWorkは「会社評価レポート」の回答として収集した「社員・元社員の声」を8つの評価スコアと8カテゴリのクチコミで掲載されており、年収・給与情報と内訳、残業時間、有給休暇取得率についても掲載されています。
すべてのクチコミを見るには「会社評価レポートの回答」「Web履歴書の入力」のいずれかが必要ですが、月額課金(1,100円(税込)/月)で閲覧することも可能です。
出典:公式サイト
3:ミイダス
口コミ:ミイダス 評判を確認
おすすめ度:★★★★・
【公式サイト】https://miidas.jp/
現時点で自分にどれくらいの市場価値(年収)があるのかを調べられるのが『ミイダス』です。
登録する際に、いくつかの質問に答えるだけで、自分の年収や紹介される求人がわかります。転職エージェントとの面談でも想定年収が出されますが、提示されるオファー金額の妥当性や、どれくらいの年収で転職するべきかというラインの参考になるためおすすめです。
比較的高めに年収が表示されている、という口コミもあるので、表示される年収より-50万円~-100万円くらいで見ておくと良いかもしれません。
出典:公式サイト
転職エージェントの面談に関するよくある質問
転職エージェントの面談に関するよくある質問をまとめてみました。
Q:面談の服装はスーツがいいですか?私服でも大丈夫ですか?
A:転職エージェントとの面談における服装は基本的に自由です。スーツでも私服でも問題ありません。とはいえ、キャリアアドバイザーにマイナスの印象を与える服装は避けたほうがいいです。あまりにもカジュアルすぎる服装などは避けるようにしておきましょう。
Q:転職エージェントとの面談時間はどれくらいですか?
A:転職エージェントによりますが、おおよそ60分~90分です。面談日時を決める際に、所要時間を確認するようにしましょう。
Q:転職エージェントとの面談は土日や平日夜でもできますか?
A:転職エージェントによりますが、多くの転職エージェントは土日や平日夜でも対応しています。会社に在籍しながら転職活動をする人は平日夕方以降や土日しか時間が取れない人が多いため、平日夜や土日祝日でも対応している転職エージェントは多いです。
Q:面談の当日キャンセルはできますか?
A:可能です。面談日の変更や当日キャンセルは可能ですが、必ず転職エージェントに早めに連絡しましょう。
Q:転職エージェントからの連絡がしつこい場合はどうしたらいいですか?
A:あまりにもしつこい場合には、連絡頻度を下げてもらうよう伝えてください。必要最低限のコミュニケーションでよければ、その旨を伝えてください。
Q:転職エージェントを使わないで転職したい場合はどうしたらいいですか?
A:転職エージェントは基本的に利用したほうがいいですが、転職エージェントが合わないと感じた場合には「転職エージェントは使わない方がいいのか?使わない転職方法とメリット・デメリットを解説」をご覧ください。
転職エージェント面談まとめ
よく「転職エージェントは人(担当者)によるところが大きい」と言われますが、例えどんなに仕事ができない転職エージェントであっても、彼らが見ている求人のデータベースは同じです。
つまり、こちらが「彼らからどう求人を引き出すか?」がポイントになります。
良い転職エージェントの担当者にあたるまで面談に行く、という人もいますが、その時間がもったいないので「各転職エージェントをどう使いこなすか」という視点で面談に臨むことが大切です。
また、転職エージェントとの面談で「自分が求める求人」を出してもらうには、転職エージェントに合った姿勢で面談に行くことが大切です。
転職エージェントは、転職者の入社が決まって初めて売上になる「成果報酬型」のビジネスをしています。報酬の相場は、転職者の年収の30%~40%程度。年収が高ければ高いほど、彼らの売上も高くなっていきます。
彼らは、求職者が転職しないと自分の成績にならないので、さまざまな見せ方やトークで求人を紹介し、入社を薦めてきます。もちろん、良い求人もありますが、中には思ったのと違う求人に押し込まれることもあるので、注意が必要です。
また、転職エージェントには大手から中堅、個人会社などさまざまな規模の会社がありますが、会社の規模やネームバリューより「転職エージェント個人」に力が依存するため、担当する転職エージェントによって、当たりハズレが大きくあります。
今回ご紹介した面談方法で、ある程度いい求人を引き出すことはできるはずですが、担当者個人が使えない場合もあります。その際は迷わず「担当を変えてほしい」という旨をメールや電話で伝えるのがおすすめです。
転職エージェントとのコミュニケーションの取り方に気をつけながら、自分にあった求人を見つけて、いい転職をしましょう。
執筆者・監修者のmotoについて
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戸塚俊介。1987年長野県生まれ。地方ホームセンターやリクルート、ベンチャー企業など6回の転職を経験後、転職メディアを上場企業へ売却。現在は「転職アンテナ」を運営するmoto株式会社およびHIRED株式会社の代表取締役。著書に『転職と副業のかけ算』(扶桑社)、『WORK』(日経BP)がある。(有料職業紹介事業許可番号:13-ユ-313037)。